とりつ おせっ会 
(東京都立大学附属高等学校
卒業生・元教職員有志)
Copyright(C)2006- Toritsu Osekkai all rights reserved.
とりつ おせっ会設立趣意書

◆日本の教育がおかしくなった

 いまや日本の教育は混迷の渦中にあり、完全におかしくなってきてしまった。
日本国憲法の理想を実現していくことが教育の目的とした教育基本法のもとに、戦後民主主義教育はスタート
した。その後、戦前のままの官僚体質を残存していた文部省はやがて昔の強大な権限を夢見てまず教育委員
会の骨抜きを意図した。教科書検定や学習指導要領等の細かな縛りを徐々に強めていき、ついに義務教育の
画一的教育を全国に実現した。
 また大学の大衆化に伴い偏差値中心のヒエラルキー(階層序列)を確立させ、教育を受験戦争化して、学校を
教育産業として振興させた。戦後教育の歴史は、膨大な権限と巨大予算を獲得する教育行政としての歴史に過
ぎなかった。知識の平均的レベルの高さと独自意見を言わない協調性と我慢強い忍耐力等々は、文部省の誇る
べき日本人像だった。一方、大量生産・大量消費の高度成長のもとマスコミIT等の発展は、あらゆる種類の
情報の氾濫を起こした。テレビ、パソコン、携帯電話等を楽しむほとんどの青少年に、情報の氾濫は必然的に
大きな影響を与えるようになった。この時期から各種教育問題が噴出しはじめた。従来の硬直化した文科省的
発想ではもう追いつかないようである。バブル崩壊後、時代の風は変わり教育再生のチャンスでもある少子化
社会になった現在でも未だ、文科省は無能無策でその教育環境をますます悪化させている。それは、文科省
が教育基本法の本来の趣旨を理解してないことから始まっているように、私たちには見える。教育基本法の立法
精神を最も理解すべき教育委員会を形骸化させてしまったのは、ほかならぬ教育行政の責任者である文科省
だからである。

◆教育問題は今や構造問題
 日本の教育制度は、人間に例えればメタボリックシンドロームに似て、完全に構造問題になっている。飽食・
肥満・高血圧・高脂肪・高血糖等々と同じで、日本の教育制度は動脈硬化を起して機能不全があちこちに出て
来て、先進国のなかでその再生が一番遅れているように見える。例えばここに中学生がいて、彼は数学が
嫌いでできず美術が大好きでその表現能力が極めて優れているとする。日本では当然のように彼に数学の
補習をする。他の先進国では、彼に美術時間を必然のように増やす。平均的レベルが大切な時代はもうとうに
過ぎ去ったのに、、、。

 「社会へ巣立ちする生活力を育てる」という教育本来の機能はもちろん、社会人として、親として、教育者として、
子ども生徒学生の育て方、教え方、叱り方、ほめ方、教育現場の環境はどうあるべきかというシステムの問題、
等々、教育諸問題は、あまりに広く深く多いので、教育に関するあらゆる本質的なことが曖昧模糊となり希薄
となり、どうやら現代日本人は教育に自信を持てなくなっているように見える。

 さらに「いじめ」「登校拒否」「必修科目未履修」等のあまりの多くの問題は、教育委員会の形骸化のもとに、
校長、教頭、教師、教育行政、PTA等の責任のなすり合いや責任逃れ等の逃避傾向が強くなるので、これらの
問題は、未解決のまま潜在化しますます陰湿化してしまう。教育委員会の弱体化と教育行政の強化はペアな
ので、国や都道府県等への「いじめによる自殺」報告件数ゼロとは噴飯ものである。通達を出すだけで全く
実態を把握できない教育行政こそが、社会的価値ゼロというべきであろう。

◆教育問題は教育基本法と別次元
 私たちは、教育基本法を改正すれば日本の教育問題が解決するとは全く思わない。なぜなら現状の教育諸
問題は教育基本法とは全く別の次元だからである。教育基本法に書かれていることは、第1条第2条はじめ、
すべて当たり前の普遍的なことである。私たち人間が長い歴史の中から学習して普遍的価値として全人類の
財産として獲得してきたものが書かれている。だから決して改正してはいけない。人格完成、平和国家、真理と
正義、個人の価値、勤労と責任の重視、自主的精神、心身の健康等々、誰も文句の付けようがない。 

◆歴史認識としての教育基本法
 不幸なこのまえの大戦において日本が軍国主義に走り近隣の国々を侵略してしまったのは、戦前の教育が
国家の手段になっていたからだという反省のもとに、教育基本法は制定されている。なぜなら、教育が「大日本
帝国」という国家への完全な奉仕者でなくてはならないとした「教育勅語」が支配していたからだ。安倍内閣も
先の大戦への反省として「村山談話」を継承しているように、教育基本法も同じ大戦への反省と歴史認識に基づ
いている。
 近代国家以前からあった人類共通の普遍的価値のために、教育は実存する。その教育とは、ヒューマニズム
であり、個人の尊厳であり、基本的人権であり、思想・信心の自由である。これらの中心概念は、「人格主義」で
ある。
 教育とは国家に奉仕するのではなく、国家が教育に奉仕すべきなのだ。このような考えは教育基本法の
前文にある。前文には日本国憲法と教育基本法の一体性が明示され、「日本国憲法における理想の実現には
根本において教育の力にまつ」と書かれている。つまり、教育は国家権力のためではなく、主権を持つ私たち
国民のためにある。

◆桜修館中等教育学校と教科書問題
 2006年4月私たちの母校都立大学付属高校は、小石川高・両国高とともに中高一貫六年制に改編されて、
校名も「桜修館中等教育学校」となり新中1年生が160名すでに入学した。そして平成23年3月には
「都立大学附属高等学校」最後の卒業生を送り名実ともに消滅することとなる。父母会もその時点で解散する
ので、土地2,011坪を含んだ沼津寮も沼津市に寄付をすることになったと聞く。

ところで、2005年7月都教育委員会は、桜修館中等教育学校の前期課程用の歴史教科書について「扶桑社
版歴史教科書」を不当不法にも採択した。都教育委員会では、採用について全く議論されず、開会するとすぐに
無記名投票に入り6名の全員一致で採決。そして採決理由の説明責任も未だ全くなされていない。この教科書
は、日本政府も歴史認識として公式に認め謝罪している「第2次世界大戦における日本のアジア近隣諸国への
侵略と植民地支配とそれによる甚大な被害を与えたこと」を認めず、日本の行った戦争を肯定している「新しい
歴史教科書をつくる会」が主導し出版された問題の教科書である。
桜修館の教育方針のなかに「世界の中の日本人としてアイデンテティを持って国際社会で活躍する人材を
育成する。」という項目があり、これは21世紀において先見性ある意義深いものと評価できるが、国際社会で
活躍するとは異文化を相互に理解することが前提になるのだから、扶桑社版歴史教科書はそぐわない。
和魂だけを勉強し桜だけを修めても始まらない。まして歴史認識を間違えるような歴史教科書では論外である。

◆都立の伝統―自由と自治―から、「おっせかい」を!
 都大附高の伝統は「自由と自治」は1928年、七年制の府立高等学校設立に始まる。英国イートン校や「ハリー
ポッター」のホグワーツ校等をモデルにした「自由と自治」の校風は、当時の日本では先進的でユニークであっ
たが軍国主義の靴音が強くなっても、校内では健全に育成され継続されていたようだ。

 戦後、教育基本法と日本国憲法によりまさに「自由と自治」の伝統は至るところで花開き人間としての普遍的
価値認識は横溢していった。それは、いろいろな表現ができる自由な記念祭、胸を躍らせた沼津臨海合宿や
クラス対抗スポーツ大会等の学内イベント、徹夜で活発な議論を続けた自治会やクラス会、情熱を燃やし汗を
流した各種クラブ活動、自由奔放で楽しいコンパ等々において、思想や表現の自由を含めて豊かな人間性を
謳歌したのだった。政治思想的な「学生運動」もその時代背景に中で、「自由と自治」の校風があったからこそ
出来たと言えるのではないだろうか。時代の変化とともに世代毎に内容は変化しても「自由と自治」のもと、
都大附高生は大いに楽しみ苦しみ笑い泣いて前期青春時代を卒業して行ったのだ。

 みなさんが経験したこの「自由と自治」の観点から、桜修館の教育に対して、東京都の教育に対して、また
文科省の教育に対して、日本全体の教育のあり方について「おせっかい」をしていきましょう!「自由と自治」を
体験しながら首都圏に育ってきた一市民の立場で「おせっかい」をしましょう!
また、おせっかいとは「ああしなさい」「こうしなさい」という代替案の提言も含みます。単に反対だけを唱えるの
ではありません。責任ある「おっせかい」がほんとうの価値ある「おせっかい」です。会則案は一応作ってあり
ますが、運営については正に「自由と自治」です。どうぞ私たちの「おせっかい」な呼びかけに応じてください!
そして参加してください。日本の本当の教育再生のために!

とりつ おせっ会 会則 

第1条 この会は「とりつ おせっ会」と称する。
第2条 この会は、自由と自治のもと桜修館中等教育学校の人間性溢れた教育を実現するため、広く内外に
     提言等を行うことを目的とする。
第3条 この会は、当会の目的に賛同し、下記のいずれかの資格を持ち第10条に定める会費を納めた会員より
     構成される。
  1.府立高等学校、都立高等学校、東京都立大学附属高等学校、東京都立桜修館中等教育学校の卒業生
  2.府立高等学校、都立高等学校、東京都立大学附属高等学校、東京都立桜修館中等教育学校に在籍した
    旧教職員または現教職員
  3.東京都立大学附属高等学校、東京都立桜修館中等教育学校の卒業生または在学生の保護者
  4.当会の目的に賛同した者
第4条 この会は次の役員をおく。    
     代表       1名
     副代表    若干名
     事務局長    1名
     会計       1名
     監査       2名
第5条 役員の任期は3年とし、再任は妨げない。
第6条 総会は、この会の最高議決機関で、次の事項を行う。 
  1.役員の選任
  2.予算、決算の承認
  3.会則の変更
  4.その他総会が必要と認めた事項
第7条 総会は、代表が次のとおり招集する。
  1.定例総会  毎年4月
  2.臨時総会  役員会が必要と認めた場合
第8条 総会は、会員数の過半の出席者(委任状を含む)で成立し、議事はその過半数で可決される
第9条 役員会は、役員全員で構成され、次の事項を行う。
  1.予算案、決算案の承認
  2.提言等の検討承認 
  3.会則改正案の承認
  4.その他役員会が必要と認めた事項
    なお、役員会は、三分の二以上の出席で成立し、過半数で可決する。
第10条 会員は、それぞれ次の会費を収めるものとする。
  1.一般会員   年額1口   5,000円
  2.賛助会員   年額1口   3,000円 
  3.若者会員   年額1口   2,000円
  4.特別会員   年額1口  10,000円
第11条 この会は、目的に沿った寄付金を受け入れる。
第12条 この会の会計年度は、4月1日から翌年3月31日とする。
                                                    以上
付則    この会則は2007年3月22日から発効する。

 2007年度活動方針・事業計画

 おせっ会の初年度(2007.4−2008.3)の活動について、設立総会は次のように決定する。
 1.会の目的を達成するために、総会にあたらしく参加したメンバーの意向を汲んで創意あふれる多彩な、そして
   楽しい活動に取り組む。内容は今後の討論による。

 2.定例行事として、予算化したものは
   講演会・研究会・報告会の開催
   ニュースの定期発行
   ホームページの充実
   定期的な総会・役員会の開催
   などである。

 3.呼びかけ人の多くが参加していた「有志の会」の活動を継承し、「つくる会」公民教科書の採択阻止の
   運動に取り組む。


 4.活動に当たって、都立大学附属高校および桜修館の学校当局、教職員、保護者、生徒、卒業生などの
   各組織は無論のこと、構成する個人との相互協力関係を築くとともに、同様な問題に直面している
   都内の他の中高一貫校・都立大学及び首都大学東京などの方々とも相互協力関係を築くものとする。


2007年度予算
                                      (2007年3月22日〜2008年3月31日) (単位:円)
【収入の部】
科 目 予 算 備 考
会費収入 370,000 特別会員4名、一般会員45名、賛助会員35名 計 84名
寄付金 45,000  
雑収入 0 利息等
前年度繰越金 0  
合計 415,000  
【支出の部】
事務費 印刷費 50,000 印刷用紙、トナー代、他
消耗品費 10,000 文房具
通信費 200,000 ニュース、総会、研究会等の通知発送
HP運営費 30,000 サーバー使用料、他
290,000  
活動費 総会費 45,000 会場費、他
講演会費 20,000 講演会謝礼等
その他 0  
65,000  
会議費 12,000 会議室料(1,000円*12ヶ月)
予 備 費 48,000  
支出合計 415,000  
次年度繰越金 0  
合計 415,000  

2007年度役員

代表 石山久男(4B)
副代表 志沢允子(3B)、須田大春(8B)、中島偉晴(8B)、高品斉(8B)
事務局長 中村正子(12A)
事務局次長 村上芙佐子(元教職員)
会計 菅野敬(14B)
会計監査 山下雅子(3B)、岸田尚友(4C)

設立趣意書
とりつ おせっ会 会則
2007年度活動方針 
2007年度予算 
2007年度役員